報徳二宮神社 表参道鳥居建立・周辺整備事業


平成29年秋。報徳二宮神社の表参道鳥居が新しく建立されました。


みんなの鳥居プロジェクト(平成29年報徳二宮神社表参道鳥居建立事業)

表参道大鳥居御用材伐採式


平成29年秋の鳥居建立にあたり、この鳥居の用材となる辻村山林にある樹齢約300年の大樹の伐採式が4回(4本)にわたり斎行され、神々と大樹に感謝の祈りを捧げました。


用材選定から伐採までの道のり


●平成27年7月 用材選定

小田原市辻村の森にて、本年2回目の鳥居の御用材選定。
樹齢300年といわれる高さ約35m、幹の直径も1m以上ある大きな杉の木。
新しい鳥居を建立するには、この大きさの木が4本必要となります。

これを、まずは15mの長さのところで伐採します。
それでも重さは約10tともいわれ、
問題は、その木をどうやって引き出して、運んで製材するか。
引き出し方法や、引き出しルートなど、
これまでにない試みだけに、長きにわたり多くの検討を重ねています。



●平成27年11月24日 御用材伐採準備開始

議論を重ねた御用材の選定も終わり、平成29年秋の建立に向け、

いよいよ準備が始まりました。

まずは、12月6日に行なう最初の伐採準備のため

辻村の森の神さまの前で全員でお清めをして参拝。

山の神への感謝と作業の安全を祈りました。

 

その後は現場にて作業開始。

伐採作業に必要な整地と、高さ15mまでの足場が組まれました。



●平成27年11月27日 御用材伐採式準備作業

今回伐採する木は樹齢250年~300年級の大木。高さも32mもあることから、1回の伐採では傾斜地でくぼみがあるため、木が途中で折れる可能性があることから、予め16mのところで事前に伐採して上部を飛ばすことに。その高さまで、和田組さんにより足場が組まれ、そこで甲斐林業さんと大山さんが登って伐採作業となりました。





●平成27年12月6日(日)第1回 表参道鳥居御用材伐採式

いよいよ1本目の御用材伐採式を斎行。奉賛会・報友会関係者が集まりました。伐採に先立ち祭典を執り行い、その後全員で斧入れをしたのち伐採となりました。





















●平成28年2月7日(第3回御用材伐採式)

第3回目の御用材伐採式を執り行い、約100名のご参加をいただきました。

●平成28年3月22日(第4回御用材伐採式)

当初3月19日を予定しておりましたが雨天のため延期され、22日に伐採式が執り行われました。

報徳二宮神社では城址口鳥居建立事業と同様に、この表参道鳥居建立事業を通じながら、歴史ある城下町小田原で永年育まれてきた資源と、世代を経て継承されてきた地場産業の振興や伝統技術の継承発展を目指しています。

●報徳二宮神社 例祭(平成28年4月15日)

うららかな晴天のもと、例祭は遣幣使として神奈川県神社庁長・鶴岡八幡宮の吉田宮司様をお迎えし、210名の参列者とともに厳粛かつ厳かな式を斎行いたしました。また、御用材はこの日、辻村山林より搬出し、神社駐車場にて展示。御用材は全部で4本。1本が長さ12m・直径1m強で重さが3~4トンあり、大型トレーラーに乗せたその姿はとても大きなものでした。

午後15時には出発式を執り行い、第1次製材所(名古屋)に向け無事出発しました。









今回、地元で唯一できないのが第1次の製材作業。
御用材は長さ12m、直径1m以上あり、通常の規格をはるかに超える為、地元ではこれを加工できる場所がないのです。

御用材は4月19日(火)より本格的な製材作業に入ります。

●平成28年12月12日 第2次製材

4月に第1次製材を完了したのち乾燥させていた御用材の準備が整い、12月12日~17日に小田原市久野の大山商店様にて第2製材の作業が行われました。

御用材が大きく通常のスペースに入りきらないため、両壁ににじり口のような四角の開口部を開け、製材作業を進めました。

●平成29年1月9日 手斧始式(ちょうなはじめしき)

晴れ着姿のご参拝も多く見られた成人の日、宮大工など工匠達のの仕事始めの儀式「手斧始式」を斎行いたしました。

小田原の森での伐採から始まったこの事業に携わってきた方々にも参加していただこうと、土地の面積を図る丈量(じょうりょう)の儀や材木に墨を引く墨指(すみさし)の儀などから始まる一連の儀式を分担して行いました。

また、12月31日~1月10日までご用材を神社境内にて展示、ご参拝の皆様にもご覧いただきました。

 

いよいよこの事業も最終段階に入ってきましたが、今後もワークショップを開催するなど、一人でも多くの方に思いを寄せていただける大鳥居を次世代に繋いでいきたいと思います。

●平成29年8月30日 報徳祭「御木曳き」「立柱祭」

晴れ渡ったの空の下、報徳祭「御木曳」「立柱祭」を行いました。

いずれも神社創建以来初の開催となりました。

今後は、50年毎に執り行う予定です。

「御木曳き(おきひき)」

「御木曳」は、伊勢神宮のご遷宮などの際に御用材を神社へ運ぶ儀式です。

今回は新しい大鳥居となる御用材にロープを取り付け、みんなでそのロープを手に御用材を曳いていきました。

 

馬出門を出発した行列は、三の丸小学校前を通り神社へ到着。

行列には、遠州森町(静岡県)からやってきた山車や祭囃子も加わり、にぎにぎしく華やかなものとなりました。

また、北条太鼓の迫力ある演奏も披露され、御木曳を盛り上げてくださいました。

「立柱祭(りっちゅうさい)」

立柱祭は、職人さんが新しい大鳥居を組み立てる儀式です。

 

無事の建立を願う御祈願のあと、皆さまが見守る中、職人さんによって大鳥居が組み立てられました。

棟梁が指揮を執り、クレーンで御用材が吊り上げられていく様は大変迫力あるものでした。

最後の御用材が1度ですっと収まった瞬間には、自然に大きな拍手が沸き上がりました。

また今回初めての取り組みでしたが、ほぼ時間通り工程が進み、改めて職人の皆様の技術力の高さと熱意に胸打たれました。

 

今後、秋の例祭にてお披露目とくぐり初めを行い、いよいよ完成の予定です。

●平成29年9月10日 杜の音楽会「先人たちに思いを寄せて」

当事業では、小田原市が策定した清閑亭散策路整備計画を受け、神社入口にあった旧大鳥居は解体、社号碑は杜のひろばに移設しました。

この社号碑の移設を記念し「杜の音楽会」を開催いたしました。

社号碑は、明治の大横綱・常陸山谷右衛門氏から、大鳥居は小田原出身でマグロで成功をおさめた佐藤勘次郎氏に寄進いただいたものです。

 

オープニングの奉納演奏を飾ってくださったのは、小田原を中心にご活躍のソプラノ歌手・菊池貴子さん。

メインゲストとして素晴らしいヴァイオリンの調べを披露してくださったのは、ヴァイオリニストの中澤きみ子さん。

実は常陸山関は小田原鈴廣さんの八代目社長鈴木昭三氏の叔父にあたり、中澤さんは鈴木家のご親戚にあたり、そのご縁もあり今回の奉納演奏の運びとなりました。

●平成29年9月17日 表参道大鳥居竣工

秋季例祭(神徳景仰祭)を斎行した9月17日、表参道大鳥居が竣工いたしました。

太鼓の音と棟梁の木遣が響く中、大鳥居のくぐり初めを行いました。

台風が迫りあいにくの雨模様でしたが、この時だけ雨が止み、皆さまと無事くぐることができました。

 

多くの皆様のご尽力により、およそ3年に渡ったこの事業も無事この日を迎えることができました。

心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

無事にくぐり初めを行い全員で記念撮影。前列中央には途中で急逝された河野前奉賛会理事長も共に。

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